さまざまな職業の選択肢がある今の時代、プロのポーカープレイヤーに憧れを持つ人も多いかもしれません。そこで本記事では、プロポーカープレイヤーになる方法や、気になるお金の事情についてご紹介します。国内外の著名なプレイヤーもピックアップしているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
プロのポーカープレイヤーとは?
プロのポーカープレイヤーには、主に以下のような形があります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
スポンサー契約を結んでいるポーカープロ
PokerStarsなどの大手オンラインポーカーとプロ契約を結べば、プロのポーカープレイヤーを名乗ることができます。メジャーな大会で優勝するなどの実績がなければオファーが届きませんが、安定した月収を得られることや、大会参加費の負担を受けられることなど多くのメリットがあります。
ライブトーナメントポーカーのプロ
世界各国で開催されるライブトーナメントに参加するプロのプレイヤーも多くいます。たとえば大きな大会の場合、優勝賞金が10億円を上回ることもあります。なお、後述するブライン・ケリーは1年で30億円以上を稼ぎました。
オンラインポーカーのプロ
オンラインポーカー専門でプレイするプロのプレイヤーも多数存在します。1ゲームあたりの賞金を繰り返し得るほか、オンラインポーカーで開催されるトーナメントで高額賞金を獲得できる場合もあります。
認定試験を経て、プロライセンスを発行されたプレイヤー
プロポーカー協会が実施する「ポーカープロ認定試験」に合格し、ライセンスを取得するプレイヤーも珍しくありません。契約選手としては報酬を得られませんが、大会への優先出場権を得られるなどの特典があります。
グラインダー
グラインダーは、トーナメントには参加せず、キャッシュゲーム主体で利益を得るプロのプレイヤーです。特にマカオやマニラ、ラスベガスには多くのグラインダーがいるとされており、1日あたり10時間程度プレイする方も少なくありません。
YouTuber
ポーカーに関する情報を発信するYouTuberとして稼ぐプロもいます。たとえば、「世界のヨコサワ」は2023年時点で77万人以上のチャンネル登録者数を誇り、成功すれば安定した収益を得られることがメリットです。
プロのポーカープレイヤーはどのくらい稼げる?
プロのポーカープレイヤーの収入は、いったいどの程度なのでしょうか。アスリートなどと同じように実力に応じて異なりますが、獲得賞金ランキングと併せて参考までにチェックしておきましょう。
プロポーカープレイヤーの年収
プロとして活動するプレイヤーでも、大会の結果により年収は大きく異なります。そのため、具体的に「○○万円」とはいえません。しかし、スポンサーがついているプロが得られる年収は、おおよそ数千万円~数億円規模とされています。
日本人のプロポーカープレイヤーの獲得賞金ランキング
「The HENDON MOB」の情報をもとに、日本人の獲得賞金ランキングをご紹介します。
【日本人の獲得賞金ランキング】
順位 | 名前 | 獲得賞金 |
---|---|---|
1位 | 當眞 嗣成 | 2,317,122ドル |
2位 | 四鹿 和彦 | 2,315,788ドル |
3位 | 木原 直哉 | 2,027,934ドル |
4位 | 大谷 正志 | 1,828,673ドル |
5位 | 小倉 孝 | 1,714,657ドル |
世界のプロポーカープレイヤーの獲得賞金ランキング
続いて、これまでの獲得賞金額をもとに、世界のプレイヤーをランク付けしてみましょう。
【世界のプロポーカープレイヤーの獲得賞金ランキング】
順位 | 名前 | 獲得賞金 |
---|---|---|
1位 | Bryn Kenney | 57,204,861ドル |
2位 | Justin Bonomo | 57,194,649ドル |
3位 | Daniel Negreanu | 46,121,362ドル |
4位 | Stephen Chidwick | 42,746,701ドル |
5位 | Erik Seidel | 39,777,266ドル |
日本人の有名なプロポーカープレイヤー7人
有名な日本人のポーカープレイヤーは以下の7人です。
彼らの実績や特徴を簡単にご紹介しましょう。
當眞 嗣也(トウマ ツグナリ)
日本人で最も優れた実績を持つプレイヤーです。2019年のEPTでは賞金50万ユーロを獲得するなど、生涯獲得賞金額は3億円以上であり、合計3社とプロ契約を結んでいます。
四鹿 和彦(ヨシツカ カズヒコ)
不動産会社を経営しながらプロとして活躍するプレイヤーです。2018年のEPTバルセロナで優勝するなどの輝かしい実績を持ち、日本人ランキング首位の座も射程圏内に捉えています。
木原 直哉(キハラ ナオヤ)
東大卒の異色のプレイヤーで、「学費はポーカーの賞金で支払った」といわれています。オンラインポーカーを得意としているので、もしかしたら画面上で対戦するチャンスがあるかもしれません。
小倉 孝(オグラ タカシ)
プロポーカープレイヤーでありながら、プロ雀士としての顔も持つプレイヤーです。APPTマカオで優勝するなど実力は折り紙付きで、オンラインポーカーアプリではアンバサダーにも任命されています。
余語 葦織(ヨゴ イオリ)
名古屋など日本国内を拠点として活動するプレイヤーです。数千万円単位の高額な賞金を獲得した実績はありませんが、小・中規模の大会で入賞し、着実に利益を重ねることを得意としています。
香川 正明(カガワ マサアキ)
2012年に開催されたEPTグランドファイナルに出場した、日本人プロとしてのパイオニアです。2013年に詐欺容疑で逮捕されて以降、表舞台からは姿を消しています。
池内 一樹(イケウチ カズキ)
プレイヤーとして活動する一方、後進の育成にも力を注いでいる人物です。WSOP2019で準優擁した際は約9,000万円の賞金を稼ぎ、一躍トッププレイヤーの仲間入りを果たしました。
世界の有名なポーカープレイヤー5人
世界の有名なポーカープレイヤーを5人ご紹介します。
それぞれの特徴を簡単に見ていきましょう。
Daniel Negreanu(ダニエル・ネグラヌ)
WSOP年間最優秀プレイヤーに2回選出された実績を持つプレイヤーです。ユーモアのセンスにも富んでおり、エンターテイナーとしても人気が高く、世界中のファンを魅了しています。
Bryn Kenney(ブライン・ケニー)
2023年の時点で、累計獲得賞金額は約62億円を突破するスーパースターです。彼はたった一度の大会で約22億円を荒稼ぎしたことでも話題になりました。
Erik Seidel(エリック・ザイデル)
株式トレーダーからポーカープレイヤーへと転身した人物です。30年以上のキャリアで多数のタイトルを獲得し、2010年にはポーカーの殿堂入りも果たしました。
Justin Bonomo(ジャスティン・ボノモ)
500ドルの資金を元手にポーカーを始め、全仏オープンで4位入賞を果たした実力者です。彼はラスベガスの出身でもあるため、ポーカーの申し子ともいえます。
David Peters(デイビッド・ピーターズ)
「サイレントアサシン(静かなる暗殺者)」の異名を持つプレイヤーです。2016年には年間最優秀プレイヤーに選出される活躍を果たし、近年も活躍を続けています。
プロのポーカープレイヤーになるには?
プロのポーカープレイヤーになるための方法は、主に以下のとおりです。
順番にチェックしていきましょう。
①ポーカーの基本ルールを学ぶ
まずは基本的なルールを学びます。役の強さや最低限の専門用語、アクションの種類やプレイする順番などを把握して、ゲームに参加できる知識を身につけましょう。
②オンラインポーカーで練習をする
普段の練習には、オンラインポーカーが最適です。自宅から24時間いつでもプレイできますから、積極的に参加してポーカーのセオリーや駆け引きを学びましょう。
③ポーカーに集中できる環境を整える
フルタイムの会社員では、ポーカーのレベルを上げるための時間が足りません。ポーカーがメインの生活に切り替えて、副業をしながら生活費を確保すると良いでしょう。
④海外のカジノでキャッシュゲーム(賭けポーカー)の経験を積む
日本国内では法律により、賭けポーカーが禁止されています。現場の雰囲気を体感しながら実戦経験を重ねられるように、海外のカジノでポーカーをプレイしましょう。
このとき、具体的な目標を決めておくとモチベーションを維持しやすいです。ただし、大きな損をしないよう、引き際についても考えておくようにしてください。
⑤バンクロールが十分に貯まったらトーナメントに挑戦する
バンクロールとは、ポーカーをプレイするために使える自己資金のことです。トーナメントに出場するためにはバイインと呼ばれる参加料が必要ですし、キャッシュゲームにも自己資金が必要ですから、当面のプレイ資金を貯金しておきましょう。
⑥実績を積んでプロプレイヤーとして世間から認められる
トーナメントで入賞するなどの実績を積むと、世間から「プロ」として認知されます。知名度が上がればプロモーションなどの仕事に恵まれる可能性があるほか、YouTubeやSNSでも活動しやすくなるでしょう。
プロのポーカープレイヤーに求められるスキル
プロのポーカープレイヤーに求められるスキルは、主に以下の5つとされています。
それぞれをわかりやすく解説します。
向上心がある
ポーカーで安定して勝つために必須なのは向上心です。最近はポーカーのプレイ人口が増えており、新しい理論や戦略も登場しています。トレンドや技術、心理学などを学び続けられる貪欲な人は、プロとして成功しやすいといえます。
メンタルコントロールができる
勝負である以上、予期せぬ負けや思わぬ大勝を経験することもあります。このときに重要なのは、メンタルコントロールです。
平常心を保ってプレイできる人は、無謀な勝負に出ることがほとんどありません。勝率を上げられるほか、無駄遣いもなくせます。
バンクロール管理ができる
バンクロール管理とは資金管理のことです。資金がゼロになると、当然ながらポーカーを続けられません。目安として、バイイン額の50倍ほどの資金を維持できると良いでしょう。
海外生活に不自由しない能力がある
日本国内に合法なカジノは存在しないため、プロのポーカープレイヤーは海外を拠点として生活するのが基本です。そのため、英語など一定の語学力を養ったり、現地の食生活や文化に順応したりといったスキルも求められます。
社会的信用を維持できる
プロポーカープレイヤーの社会的信用は、お世辞にも高いとはいえません。それだけの肩書きではクレジットカードを作ったり、賃貸住宅を借りたりするのは難しいでしょう。ポーカーに関する会社を設立したり、別の事業を立ち上げたりして社会的信用を得ることも大切です。
まとめ
ポーカーでプロとして活躍する人は、国内外の多く存在します。異業種から転身を果たしたプレイヤーも多く、センスがあれば誰にでもプロになるチャンスがあります。オンラインポーカーをプレイしてレベルアップし、高額賞金を狙える大会にチャレンジしてみましょう。